
不動産営業は宅建を持ってないと不利?
- 不動産営業だけど宅建持ってないってどう評価される?
- 顧客との関係で損することもある?
- 職場での評価はどんな影響がでる?
「不動産業界に転職したいけど宅建士の資格を持ってない…」
そんな不安を抱える人もいるのではないでしょうか。
たしかに、不動産会社には社員5人あたり1人以上の宅建士を保有する義務があるため、
資格を有する人材が重宝されるのも事実です。
しかし、不動産営業として成果をあげるためには、
宅建士の資格以上に大切なこともあります。
資格を持っていないから、とあきらめる前に、不動産営業として自分がどのように働くことができるかイメージしてみましょう。
この記事では、実際に不動産営業職として働く私の観点から、宅建士の資格を持たない不動産営業マンの実状を紹介します。
不動産業界への転職に宅建士の資格は必要か気になる方は、参考にしてみてください。
この記事を書いた人
40歳、全くの未経験で、記者職から畑違いの不動産営業職に転身した経歴の持ち主。
「初めて家を買うファミリー層」をメインターゲットにした売買仲介会社で8年間、不動産のイロハを学び、今は一歩進んで農地転用などを扱う行政書士業務に携わっています。
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この記事の目次
「宅建持っていない不動産営業」の仕事のリアル

宅建士の資格を持たない不動産営業の実情とは?
宅建よりも営業力の方が100倍重視される
まず初めに知っておいてほしいのは、「不動産営業に宅建士の資格は必須ではない」ということです。
宅建士でなければできない業務は、契約締結前に行うことが義務付けられている重要事項説明や、
重要事項説明書・契約書への記名・押印に限られます。
一方で、不動産の営業マンとして最も重要な仕事はクロージング、「顧客に契約する意思を固めてもらう」ということでしょう。
もちろん、宅建士であることが不動産営業にプラスの効果を発揮しない、ということはありませんが、
宅建士の資格を持っていないからといって、
不動産営業で不利になるとは限らないのです。
営業と契約を分業化している会社も多い
不動産会社によっては、営業と契約手続きを完全に分業化しているところも少なくありません。
特に、賃貸仲介の会社やマンション販売会社などで多く見られる業務体制です。
このような場合、宅建士の資格を持たない社員は営業の業務に集中し、資格を有する社員が契約手続きを担当することになります。
宅建士の資格がなくとも、顧客に対してしっかりと提案や説明ができれば営業で成果をあげることが可能であるため、
職場にとっても重要な人材となり得るのです。
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資格がないことで懐疑的にみられる可能性も
宅建士の資格は不動産営業において必須ではありませんが、
宅建士の資格を持たないことで顧客から信頼を得にくいという側面はたしかにあります。
宅建士の認知度は高く、顧客の多くが「不動産のプロといえば宅建士」という認識を持っているからです。
不動産取引の中でも、とりわけ売買を扱う場合には、買い手も売り手も営業マンに「専門家であること」を求めます。
事実、資格を持たない後輩に代わって同様の説明をしたとしても、「宅建士の説明」というだけで納得してくれるケースは少なくありませんでした。
報酬面ではデメリットが生じがち
報酬の面でも、宅建士の資格を持たないことがデメリットになりがちです。
制度上で不利になりうる事例として、資格手当とインセンティブの2つを見てみましょう。
1. 資格手当
多くの不動産会社では、宅建士に対して1月当たり2〜30,000円程度の資格手当を支給する制度を採用しています。
仮に宅建保有者と同等の成果を挙げていたとしても、毎月その分だけの報酬が低くなってしまうデメリットが生じるのです。
2. インセンティブ(歩合給)
不動産営業の報酬は、固定給のほかに、売上に応じた歩合給を支給する仕組みを採用している会社が少なくありません。
この部分でも、支給比率が下がるなどのデメリットが生じる可能性があり得ます。
なぜなら宅建士でなければ、重要事項説明という法的に義務付けられた手続きを行うことができず、契約を自力で完了することができないからです。
営業マンが重要事項説明や契約手続きを一貫して担当する会社であれば、
これらの業務を宅建士の資格を持つ他の営業マンに任せなければなりません。
宅建がなくてちょっと肩身がせまいことも…
他の営業マンに契約手続きを依頼するケースでは、デメリットは報酬だけに留まらない可能性もありえます。
結果的に「他のスタッフの営業の時間を奪う」ことになり、これが精神的なプレッシャーにつながるケースが多いのです。
私自身は全く逆の立場でしたが、宅建士の資格を持たない営業マン数名の重説・契約手続きを担当することが、
時間や労力の面で大きな痛手を被っている印象がぬぐえませんでした。
このことからも、依頼する側の精神的な負担もあろうことが、容易に想像できます。
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